最終更新: shinomiya_karen 2019年05月29日(水) 23:44:19履歴
ザワザワ……ザワザワ…… | |
エレナ | リオ……音、全然戻らないネ……。 |
どうしちゃったんだろ……? | |
莉緒 | ホント、確かに遅いわね…… |
でも大丈夫よ、エレナちゃん。 | |
莉緒 | プロデューサーくんがいるんだもの。 |
きっと、何とかしてくれるわ! | |
??? | いやはや、会場の音響設備もまともに管理できないとは |
あきれたものだ。 | |
エレナ | え? |
??? | さすがは底辺765プロ。所属するプロデューサーも、 |
なかなかの無能っぷりじゃないか。ハーッハッハッハ! | |
エレナ | ひゃっ!? |
こ、この真っ黒なオジさん……誰っ? | |
莉緒 | 下がって、エレナちゃん。 |
……あなたは? | |
??? | おや、有名貴公子である私を知らないのかね? |
……いや、あのプロダクション所属ではムリも無いか。 | |
??? | では、特別に名乗ってやるとしよう。 |
私こそが、スーパーセレブにして業界のプリンス……。 | |
黒井社長 | 961プロダクション社長、黒井崇男だ! |
莉緒達 | えっ!?(?) |
莉緒 | 961プロって、あの大手芸能プロダクションの? |
……でも、その社長さんが、私達に何の用かしら? | |
黒井社長 | まぁ、そうとんがらないでくれたまえ。 |
どうしても君達と直接話したくてね。 | |
黒井社長 | 百瀬莉緒くん……それに、島原エレナくん。 |
君達ふたりとも、961プロに移籍する気はないかね? | |
莉緒 | …………へ? |
エレナ | 移籍……? それ、どういうコト? |
黒井社長 | さっきのステージを見ていたが、やはり弱小3流プロ。 |
君達の、真の魅力を引き出せていない。 | |
黒井社長 | ウチの事務所に来てくれれば、今の2倍……いや、 |
3倍の報酬と、最高のプロデュースを約束しよう。 | |
莉緒 | 何をテキトーなことを……! |
黒井社長 | ノン! すでにビジョンはある。 |
そうだな……。 | |
黒井社長 | 君達を、至高のセクシーダンスユニットとして、 |
すぐにでもデビューさせよう。 | |
莉緒 | せっ、セクシー……!? |
莉緒 | つまり……、もしかして、 |
私にその路線の才能があるって言いたいの!? | |
黒井社長 | ウイ。私の見る目は、どんな一流スカウトよりも正確、 |
かつエレガントだ。さあ……どうだね? | |
エレナ | どうもしないヨ! ワタシ達は |
765プロのみんなで、一番を目指すんだカラ! | |
エレナ | そうだよネ、リオ? |
765プロでだって、トップアイドルになれるよね? | |
莉緒 | ……ええ、もちろんそうよ! 私達は765プロで、 |
セクシーダンスユニットを目指すの! | |
エレナ | も〜、リオ! セクシーダンスユニットじゃないヨ! |
ワタシ達のユニットは、ARRIVEだってば〜! | |
莉緒 | はっ! そ、そうだったわ、つい……! |
エレナ | あっ、スタッフさん! ココに知らない人がいるヨー! |
スタッフさーん! | |
…………。 | |
黒井社長 | どうやら百瀬莉緒の方は脈アリのようだな……。さて、 |
これからが楽しみだ。ククク……フハ、フハハハハハ! | |
30分後…… | |
P | 結局、機材は直らなかったな……。 |
でも、ふたりのおかげで助かったよ。 | |
P | 歌は最後まで歌えなかったけど、即席握手会はいい |
アイディアだ。お客さん達も喜んでくれたし……。 | |
莉緒 | …………。 |
エレナ | …………。 |
P | ん? どうかしたのか、ふたりとも? |
エレナ | プロデューサー……。 |
ううっ、怖かったんだヨ〜……。 | |
P | ええっ!? え、エレナ!? |
すまない、そんなに心配してたとは……。 | |
莉緒 | 違うのよ、プロデューサーくん。 |
よしよし……大丈夫よ、エレナちゃん。 | |
P | 違う……? |
莉緒 | もちろん、トラブルのこともあるけど。 |
実はね……。 | |
………… | |
P | (引き抜き!? ……いや、業界ではよくあること |
かもしれない。でも……) | |
(話を聞く限り、やり方が強引すぎる。それに…… | |
何か裏がありそうだ。とにかく確かめないと!) | |
エレナ | ……っていうコトがあったノ! |
もー、大変だったんだカラ! | |
可憐 | そ、そうだったんですか……突然のトラブル……。 |
私だったら、フリーズしてしまったかも……。 | |
ロコ | ARRIVEのメンバーを引き抜こうとするなんて、 |
プレジデントクロイはマリシャスなエネミーですね! | |
エレナ | もー、失礼しちゃうヨー。 |
移籍なんて、考えたコトもないのに! | |
貴音 | 災難でしたね……。 |
百瀬莉緒も、さぞや心乱されたことでしょう。 | |
莉緒 | え? ああ、うん。そうなんだけど……。 |
可憐 | ……? 莉緒さん……? |
ロコ | それより、Pはどこ行ったん |
です? このエマージェンシーなシチュエーションに! | |
エレナ | ワタシとリオを劇場に送った後、 |
すぐに出かけちゃったヨ〜。 | |
可憐 | い、急ぎで、社長さんとお話があるって……。 |
今日のこと……かも、しれません……。 | |
エレナ達 | …………。 |
莉緒 | …………。 |
社長 | おお、君! 待っていたよ。 |
話は音無君から聞いたんだが、大変だったようだね。 | |
P | はい。それで、961プロの黒井社長の事なんですが |
……社長のお知り合いなんですか? | |
社長 | うむ。黒井とは古い付き合いなのだが、 |
少々、色々あってね……。 | |
…………。 | |
P | 社長が事務所を立ち上げる前からの、敵対関係……! |
そうだったんですか……。 | |
社長 | うむ。奴からすれば、私のアイドルプロデュース方針は |
甘いということらし。だが、私もまた……。 | |
社長 | トップになるためなら手段を選ばない。そんな奴の |
やり方を、認めるわけにはいかないのだよ。 | |
社長 | そう、たとえ……手段を選ばない理由が、 |
何かあったとしてもね。 | |
P | (社長……) |
社長 | いずれにせよ、君達には、 |
そもそも関係のない話だ。 | |
なのにこんな迷惑をかけてしまって、本当に申し訳ない | |
と思っている。なんとかできればいいんだが……。 | |
P | 黒井社長は、莉緒とエレナのことを |
スカウトしてきたそうです。 | |
社長 | うむ、それも聞いた。彼女達をスカウトして、 |
アイドル事業に、より力を入れるつもりなんだろう。 | |
P | しかし、本気なんでしょうか? |
既にデビューしている、他事務所のアイドルを……。 | |
社長 | 少なくとも、引き抜きをためらう男ではないことは |
確かだがね。……それとひとつ、気になる話がある。 | |
今日のイベントでの機材トラブル……。 | |
これに、黒井が関係しているかもしれないようだ。 | |
P | ええっ!? |
社長 | どんな理由であれ、アイドル達の活動を妨害するなど |
間違っている。黒井の圧力に、屈する気はない。 | |
君には苦労をかけるが……公演を成功に導くためにも、 | |
今後は黒井の動向にも気をつけてくれたまえ。 | |
P | わかりました。俺が、彼女達を守ります! |
みんなが安心して、笑顔で仕事ができるようにします。 | |
社長 | おお、さすがは君だ! |
アイドル達のことを、頼んだよ! | |
P | (黒井社長……どうも大変な相手らしい。 |
だが、うちのアイドル達を好きにはさせない!) |
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