最終更新: shinomiya_karen 2019年05月30日(木) 00:00:57履歴
莉緒 | うーん、レッスンの時間まで、だいぶあるわね……。 |
ちょっと早く来すぎちゃったかしら? | |
せっかくだし、寄り道しちゃおうかな? | |
新しいスカートがほしかったのよね、ウフッ♪ | |
黒井社長 | ククク、集合時間前に来るとは、 |
なかなか勤勉のようだね? ……百瀬莉緒くん。 | |
莉緒 | く、黒井社長!? |
……わざわざ待ち伏せまでして、何の用? | |
黒井社長 | すでに伝えている通りだよ? |
君をウチの事務所に迎えたいのだ。 | |
島原エレナくんには断られてしまったが……。それは | |
彼女が、冷静な判断をくだせぬお子様というだけの事。 | |
莉緒 | ちょっと。エレナちゃんにフラれたからって、 |
そんな言い方はないんじゃない? | |
黒井社長 | 別に彼女に固執しているワケではない。何故なら、 |
私が本当にスカウトしたいのは……君なのだから。 | |
莉緒 | …………え? |
黒井社長 | エレナくんはたまたま君とコンビを組んでいたから、 |
一緒に声をかけたまで……オマケに過ぎんのだよ。 | |
黒井社長 | 961プロには、君こそが必要なのだ! |
君がその目をさまし、ウチに移籍した暁には……。 | |
そうだな。デビューと同時に、書店に並ぶすべての | |
週刊誌のグラビアを、君で埋め尽くすと約束しよう! | |
莉緒 | す、すべてのグラビアを……!? |
う、ウソよ! | |
そそ、そんなコト、できるわけないでしょ! | |
黒井社長 | 765プロのような、アリンコプロでは無理だろうな。 |
だが、我が961プロにとっては造作もないのだよ! | |
さあ、どうかね? 全国の男子高校生達の、 | |
憧れのお姉さんになってみる気はないかね? | |
莉緒 | ぜ、全国の……男子高校生達……!? |
私が……憧れの、お姉さん……! | |
午後…… | |
P | (今日はARRIVEのメンバー全員でレッスンだ。 |
思った以上に、みんなできているな。あとは……) | |
エレナ | ワン・ツー・スリー・フォー、 |
クルッとターンの……決めポーズ! | |
エレナ | うん! バッチリだヨー! |
この調子で、もう1回……あれれ? | |
貴音 | はあ……はあ……申し訳ありません、島原エレナ。 |
今日は……ここまでに……させてください……。 | |
エレナ | もー。早すぎるヨー? |
もっと元気に行こっ♪ | |
ロコ | ひぃ……はぁ……。 |
ロコも、ぎ、ギブアップです〜……。 | |
可憐 | はあ、はあ……さすがエレナさん……。 |
息ひとつ、乱れてなくて……すごいです……。 | |
P | やっぱり、エレナの体力はケタ外れだな! |
こういう時は、だいたい莉緒が張り合って……) | |
エレナ | ンー……。 |
あっ、リオは? リオなら行けるよネっ♪ | |
莉緒 | ん? ああ……私も、ちょっと疲れちゃったかも。 |
今日は、ここまでにしましょ。 | |
エレナ | あ、あれ? リオも疲れちゃったノ……? |
そっか……。 | |
P | (ん? 珍しいな……) |
莉緒 | なに? プロデューサーくん。 |
P | いや……。 |
P | (いつもなら、自分からエレナと張り合いにいくのに。 |
もしかして、具合でも……) | |
P | 莉緒。この後、ちょっといいか? |
莉緒 | あっ、ごめーん、Pくん! |
今日はちょっと、用事があるの。……ごめんね? | |
莉緒 | それじゃみんな、また明日♪ |
お疲れさまー! | |
P | (行ってしまった……) |
可憐 | あ、あの……プロデューサーさん。 |
ちょっと、いいでしょうか……? | |
P | 可憐? ああ、もちろん。 |
どうしたんだ? | |
可憐 | その……り、莉緒さんについて……です。 |
今日の莉緒さんは、いつもと……ちょっと違いました。 | |
P | そうか……。実は俺も気になってんたんだ。 |
何か悩み事があるなら、相談してほしいんだが……。 | |
可憐 | あ、いえ……それも、そうなんですけど……。 |
違うというのは、そういうことではなく……。 | |
P | え? どういうことだ? |
可憐 | あの……に、匂いが……。いつもの、 |
莉緒さんの香りじゃない気がして……。 | |
この前の……イベントから帰ってきたときと…… | |
お、同じような匂いが……。 | |
P | この前のイベント? |
ああ、黒井社長と出くわした……。 | |
って、もしかして、黒井社長の匂いか!? | |
可憐 | そ、その人のことは、よく知らないですけど……。 |
なんだか、とっても嫌な感じのする、匂いです……。 | |
P | (莉緒がまた、黒井社長と会っていたってことか? |
スカウトされたとは言ってたけど……そんなはず……) | |
可憐 | あのっ……Pさん。 |
私、莉緒さんのこと、わかる気がします……。 | |
P | 莉緒のこと? |
可憐 | はい……。自身がなくて、不安で……に、逃げ出したく |
なる気持ち……。わ、私にも、たくさんあるから……。 | |
ふ……不安な気持ちに、つけこまれたら……。 | |
迷ってしまうことも、あると思うんです……。 | |
だから……もしも莉緒さんが、本当に移籍を迷って | |
いたんだとしても……責めないであげてほしくて……。 | |
P | 可憐……。 |
可憐 | な、生意気なことを言ってごめんなさい。それに、 |
莉緒さんのこと、信じてないわけじゃないんです……! | |
ただ……。 | |
P | 可憐はえらいな。メンバーのことを思いやって、 |
きちんと自分の意見を言えてる。 | |
何があっても、逃げずに頑張って、 | |
みんなをまとめようとしてくれてるんだな。 | |
可憐 | ……! |
は、はいっ……! | |
P | ありがとう、可憐。大丈夫だ。 |
あとは、俺に任せてくれ。 | |
P | 5人そろってのARRIVEだからな。 |
誰ひとり、欠けさせやしない! | |
可憐 | プロデューサーさん……わ、わかりました。 |
莉緒さんのこと、お願いします……! | |
P | (黒井社長がどんな手を使ったのかは知らないが、 |
莉緒はARRIVEの大事なメンバー。取り戻すぞ!) |
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